IDCのリサーチディレクター、ナビラ・ポパル氏によると、スマホ業界で今問題となっているのは需要不足だという。「スマホ市場は22年初めに供給制約の問題に直面していたが、今は一転して需要不足に陥った」と同氏は指摘する。

 ガソリンや食品などの日用品の価格が上昇する中、多くの利用者は、今持っている機種を当面手放しそうにないとも指摘されている。世界最大のスマホ市場である中国では、「ゼロコロナ」政策によって、上海や深セン、北京などの主要都市でロックダウン(都市封鎖)が敷かれた。これが、サプライチェーンや物流網を混乱させたほか、消費を抑制し同国の経済全体に影響を及ぼした。

「プレミアム」がスマホ市場を救う?

 一方、アップルにとって明るい材料もある。香港のカウンターポイント・リサーチによると、価格が400ドル(約5万7000円)以上の「プレミアム」モデルは、売上げ減少に対する一定の抵抗力を持つという。

 22年4〜6月におけるプレミアムスマホの販売台数は、前年同期比8%減少したものの、売上高は横ばいで推移した。低価格スマホはインフレ圧力の影響を受けている。こうした中、プレミアムスマホの市場全体に占める売上比率は60%となり、前四半期から2ポイント上昇した。

 加えて、プレミアムカテゴリーにおけるiPhoneの販売台数シェアは57%に上った。4Gから5Gへの買い替えが進んでいることがその要因だとカウンターポイントは指摘する。

 また、価格が1000ドル(約14万4000円)以上のスマホの販売台数は前年同期から94%増加した。iPhoneの多くはこのカテゴリーに入る。米国では、マクロ経済がプレミアムスマホの需要に与える影響が示されていないという。

 アップルは新興国市場でも好調だという。米グーグルの基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」を搭載した端末からiPhoneへの買い替えが進んでおり、22年4〜6月はその数が過去最高を更新した。アップルは新規ユーザーの獲得に成功していると、カウンターポイントは指摘している。

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(小久保 重信)