米アマゾン・ドット・コムは9月28日、米国内の物流施設や配送部門で働く従業員の平均初任給を引き上げると明らかにした。

人件費、今後1年で10億ドル増加

 同社の時間給従業員の初任時の平均時給はこれまで18ドルだった。これを2022年10月から19ドル(約2750円)超にする。アマゾンによると、実際の支給額は職務内容や勤務地によって異なり、1時間当たり16〜26ドルの範囲になるという。今回の給与引き上げに伴い、人件費は今後1年で10億ドル(約1400億円)近く増えるとみている。

 アマゾンは1年前の同じ時期にも賃上げを発表している。この時の初任時の平均時給は18ドル。契約時に一時金3000ドル(約43万円)を支払うほか、勤務時間帯によって時給を3ドル加算するというものだった。米労働市場の需給が逼迫(ひっぱく)する中、待遇改善で人員確保を図り、需要が急増する年末商戦の物流体制を整える狙いだった。

 アマゾンは今年10月11〜12日に「プライム・アーリー・アクセス・セール」と呼ぶ、プライム会員向けの大型セールを計画している。年末商戦が本格化する前に独自のセールを実施し、10〜12月期の収益増加につなげる考えだ。

増えすぎた物流資源削減中

 その一方で、同社は、新型コロナウイルス禍で増やしすぎた人員を調整し、コスト削減を進めている最中。アマゾンは年末商戦時の需要増と、最近の芳しくない業務実績とのバランスを取るという、難しい判断を迫られていると、米ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

 アマゾンは20年から22年3月までに倉庫や仕分センターなどの物流拠点を数百カ所新規に開設し、同期間に従業員数を2倍の160万人超に増やした。この施策が奏功し、売上高は20〜21年に60%以上増加し、利益は3倍近くに増えた。しかし、その後のEC(電子商取引)需要は同社の予測を下回り、物流資源が過剰になった。