それに加えて、ここでは「コロナ危機」との関連で、「部屋の窓を開け、内外の通気を保ったまま強めの冷房をかけ続ける」という、少し以前であればエコロジストから大批判を受けるような状態の有効性を指摘したいと思うのです。

家庭内感染と熱中症

 他方、罹患者や、とりわけ死亡者の絶対数が圧倒的に少ない新型コロナウイルス肺炎ですが、在宅療養中の軽症者の家族内感染が大問題になっているのもご案内の通りです。

 例えば8月21日の東京都の場合、258人の感染者のうち55人、実に20%強、この数字に基づくなら、5人に1人は、家族から新型コロナウイルスを移されているいることになります。

 こうした「家庭内感染」を下げるために、様々な工夫が提案されているわけで、例えば患者家族と他の健康な家族のエリアを分ける、手洗いを欠かさず、トイレは頻繁に消毒・・・などの対策が推奨されています。

 加えて、ここでもう一つ重要なのが「換気」です。

 家の中に感染した家族の呼気が停留すれば・・・。つまり患者の吐いた息がたまって淀んでいけば、別の家族がそれを吸い込むリスクは当然高くなるでしょう。

 換気が重要になりますが、これに待ったをかけかねないのが「冷房」です。死亡数だけで考えれば熱中症の方がはるかに高く、室温管理は全くシャレになりません。

 だからといって、冷房効率を上げるべく部屋を締め切ったり、患者と家族を共通の冷房装置で、共通の冷気、つまり同じように新型コロナウイルスが含まれた空気を掻き回し続ければ、ろくなことになりません。

 さて、ここまでの内容で「ウチにはコロナ患者もいないし、関係ない話」と思われた読者もおられるのではないかと考えますが、上記の話はあらゆる「日和見感染リスク」に対して成立する、普遍的な内容です。

 つまり、一つ屋根の下に複数の家族が暮らしていて、その中の幾人かは、現在の日本の政策のもと、毎日ハイリスクな場所への往復を余儀なくされているとしましょう。

 一日一日、複数の場所に散在するウイルス感染リスクから、確率的に病源体を家族が家の中に持ち帰ってくる可能性があります。

 そのとき「コロナ弱者」の家族メンバーを、できるだけ「かざしも」に置かない、というのがここでの話のポイントになります。

 一家に何台も冷房装置があればよいですが、一つしかないというようなお家、これはワンルームのアパートとかだけでなく、空調がセントラル・コントロールのエコハウスのような場合も同様です。