米国のインターネット広告業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)と米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が4月7日までにまとめたレポートによると、2020年の米国インターネット広告売上高は1398億ドル(約15兆3400億円)で、前年から12.2%増加した。伸び率は19年の15.9%から低下した。だが年前半の急減を補う需要が年後半にあり、2桁成長を維持した。

「旅行」低迷も「政治」「EC」好調

 20年は、新型コロナの影響で旅行関連が低迷したものの、下半期に政治広告や電子商取引(EC)関連の広告が伸びた。10〜12月期の売上高は、前年同期比28.7%増となり、四半期として過去最高を更新した。

 媒体別に見ると、SNS広告と動画配信広告が大幅に伸び、テレビ広告からシェアを奪った。SNS広告の売上高は前年比16.3%増の415億ドル(約4兆5500億円)。米国ネット広告全体の29.6%を占めた。動画配信広告も同20.6%増の262億ドル(約2兆8700億円)と好調で、全体の18.7%を占めた。

動画配信の世界加入者11億人

 動画配信は急速に伸びているようだ。米映画協会(MPA)は先ごろ、20年における世界の動画配信サービス加入者数は11億人で、過去最高を更新したと報告した。

 ロックダウン(都市封鎖)の影響で人々は家庭内のエンターテインメントを求めたという。一方、20年の映画興行収入は前年から300億ドル(約3兆2900億円)以上減少。120億ドル(約1兆3200億円)にとどまった。これに対し19年は過去最高の423億ドル(約4兆6400億円)をだった。

ネット広告は上位企業に集中

 IABによると、米国のネット広告市場は上位企業への集中が進んでいる。上位10社のネット広告売上高は計約1090億ドルで、全体の78.1%を占めた。この比率は19年時点で76.6%、18年時点で75.9%だった。