留置場で男性が足に大きなアザを残して死亡した。「取り調べによる暴行が疑われる」として特別公務員暴行陵虐致死容疑で刑事告発されながらも2名の警察官が不起訴となったことに対し、異議申し立てを受けた検察審査会は8月28日、改めて「不起訴判断は相当」との議決を下した。医師の突然の死から間もなく10年、死の真実を追い求め、民事、刑事で真実を問い続けてきた遺族は今、何を思うのか・・・、話を聞いた。

(柳原三佳・ノンフィクション作家)​

まるで小林多喜二の遺体のよう

 まずは下の2点の写真を見てください。

 これは死体検案時、警察によって撮影されたものです。遺体の右の下腿部に、どす黒い大きな内出血が広がっているのがはっきりわかります。

 遺族は、死亡の連絡を受けて駆けつけた病院でこのアザを見たとき、とっさにこう思ったといいます。

「その姿はまるで、昔写真で見た小林多喜二の遺体のようでした。警察から帰ってきたら皆こんなになるのだろうか・・・と、大きなショックを受けました。私は看護師なので、これまで外傷を負った患者さんを何人も見てきました。でも、あれほど酷い状態の足は見たことがありませんでした」