金融界においては、FinTech(金融=Financeと新技術=Technologyを融合して新たな価値を生み出すイノベーション)によって、決済・預金・貸出・資産運用といった金融機能のアンバンドリング(分解)とリバンドリング(再編)が起きています。大学教育においても、EdTech(Education+Technology)によって機能の分解と再編が起こるかもしれない・・・。

 この連載では、「リモート授業で現場では実際何が変わったか」をお話しし、「そもそも大学とは何か、何をするところなのか」を再考・再定義していきます。大学教育に関係する皆さん、大学に興味を持つ皆さんの「気づき」や「思考を深めるヒント」に少しでもなればと思っています。

 さて、授業開始から約10日たった5月20日、ゼミナールの学生(3年生10名)に対し、リモート授業を1週間受けてみて感じた良い点・悪い点について、一人ずつ本音で詳しく語ってもらいました。意外なコメントがいくつもあり、私の思考も刺激されました。

 では、まずリモート授業へのポジティブコメントから見ていきましょう。

リモート授業に対する学生からのポジティブ評価

(1)通学時間がかからず、とくに朝が楽。ギリギリまで寝ていられるのがありがたい。化粧も着替えもしなくて良いのが助かる。

 この「楽ちんでうれしい!」的コメントは、ポジティブ評価の中でダントツ多数を占めました。まったく最近の若者は何でもかんでも面倒くさがって・・・と愚痴りたくもなりますが、都心の大学の学生は最近ではキャンパス周辺に住む下宿生が少なくなり、関東近県の自宅から2時間ほどかけて通学する者も多いので、むべなるかなという感じがします。

(2)空き時間が無駄にならず、有効活用できる。家で自分の好きなことができて良い。

 大学の時間割は、各学生が希望する授業を履修するシステムなので、たとえば「火曜は1時限目と3時限目だけに授業が入っているので、2時限は空き時間」ということが頻発します。これは私の学生時代も同じでしたが、当時の私は空き時間に喫茶店で仲間とだべるのを楽しんだものです。ビフォー・コロナの頃から、今の学生たちは学生食堂で一緒に坐っていながら、めいめい自分のスマホでゲームをやっていましたから、「ひとりで時間をつぶす」志向が強い、ということなのでしょう。