(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

 新型コロナの猛威が収まりません。すでにアメリカではコロナによって33万人が命を落としています。この数字は、約29万人といわれる第二次大戦の4年間におけるアメリカの戦死者数を上回るものです。コロナ感染が世界に広まったのが昨年になってからだということを思い起こせば、いかにこの感染症が恐るべきものか、改めて痛感させられます。

 ただ一方で、昨年末にはかすかな希望が見えてきました。待望のワクチンの承認です。

ワクチン確保にはひとまず成功した日本

 12月になってファイザー、モデルナ、アストラゼネカといった欧米のメガ・ファーマなどのワクチン開発が最終段階に入り、いくつかはすでに承認を受け、接種を始めた国もあります。ものによっては90%以上の予防効果があるとされています。これらのワクチンが、コロナ収束に向けての切り札になる可能性があります。

 日本の製薬企業がまだ開発に成功していないのは残念ですが、政府はすでに欧米の製薬企業から、約1.4億人分の供給を受ける契約を結んでいます。つまり全国民に行きわたるだけの量がすでに確保されています。ワクチンは製造にも時間を要するものですので、この段階で国民全員が接種できる量を確保しているというのは、上手くやっていると評価してよい実績です。12月に閉会した臨時国会では、改正予防接種法も通過させています。これで国民は自己負担なしでワクチン接種が可能になりました。

 こう見てみると、ワクチンに関して日本政府はかなり首尾よく対応したとみてよいでしょう。既に接種の順番が報道で出始めていますが(医療従事者、高齢者が優先される等)、順調に進めば、今年の5〜6月ごろには、日本でもワクチンの接種が本格化してくるのではないでしょうか。