(高橋 義明:明海大学経済学部教授)

 新型コロナウイルス感染症対策の切り札とされるワクチン接種が高齢者向けに進められている。菅総理も5月7日の緊急事態宣言延長に伴う記者会見で「長引く感染対策の決め手となるのがワクチン。安心した日常を取り戻すことができるかどうか、それは如何に多くの方にワクチン接種できるかどうかにかかっている、こう言っても過言ではありません」と述べた。しかし、政府の思惑通りにワクチンで感染を激減させ、オリンピック開催にこぎ着けることができるのであろうか。

 現在はワクチン供給量が限られるため、家族も巻き込んだ高齢者予約殺到に注目が集まっている。さらにワクチン接種のための医師、看護師など人材確保が議論の中心になっている。しかし、イスラエルでは、接種証明「グリーンパスポート」があればレストランやジム、コンサートに行ける、とすることで63%の接種率を獲得した。アメリカでは1回以上接種した者が40%に達したところで1日あたりの接種数が鈍化し始め、バイデン大統領は「(ワクチン接種者には)屋外でマスクは原則必要ない」とのインセンティブで接種を再加速させようとしている。日本でも今後、何らかのインセンティブ付与を検討しておかなくてよいのであろうか。

 中曽根平和研究所では3月中旬に全国15歳以上に対する意識調査(有効回答数6122人)を実施し、ワクチン接種の希望や優先度のあり方について尋ねた。以下ではその結果を踏まえて今後のあり方を検討したい。

「様子を見てから打ちたい」人が多数

 ワクチン接種の希望状況について「様子を見てから打ちたい」が43.6%と最も多く、「すぐに打ちたい」は23.9%にとどまった。一方、「打ちたくない」が21.8%(「あまり打ちたくない」16.7%、「絶対に打ちたくない」5.2%)。また、「わからない」が10.3%を占める。