「同胞の悪口は言いたくありませんが、最近はプライドが高くてサービスが悪い小姐(中国人女性)が多いのです。それに対して、ベトナム人の女の子は真面目で笑顔を絶やさないのでお客からの評判もいいし、我々も“管理”しやすい。今、都内にあるチャイナエステではベトナムの女の子が増えていますよ」

「お客さんはエッチだけど、社長さんより優しい」

 彼女にこの店で働く抵抗はないか聞くと、

「アノ工場ヨリハ、コノ店ガイイ。オ客サン、ミンナエッチダケド、アノ社長サンヨリ優シイ。オ金ヲ貯メテ借金ヲ返シナガラ、家族ニ送金シテイマス」

“逃亡者”である彼女が、日本の銀行から母国へ送金するのはリスクが高いはず。リュウさんがその疑問に答えてくれたが、それはまた別の記事で紹介しよう。

 ユキさんと同じく、失踪した元技能実習生のベトナム人女性たちを、ひと昔前の「ジャパゆきさん」のように風俗まがいの店で働く原因を作ったのは、ベトナムの「送り出し機関」だけではない。

 その背景には、受け入れ先の日本企業による低賃金、長時間労働、パワハラなどの問題があることは火を見るより明らかだ。その問題を放置したまま、送り出し機関だけを罰しても、技能実習生の失踪がなくなることはないだろう。

(刑部 久)