新型コロナ以外の一般救急の受け入れに支障が出ているのは、急性期病院の一般病床が満床、もしくはそれに近い状態になっているからです。では、なぜそのような事態になっているのでしょうか。

 ひとつは季節性の要因です。通常でも寒さが厳しい1月中旬は、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞といった心血管系の疾患や呼吸器感染症(肺炎)の増加などにより、年間を通してもっとも救急車の出動回数が多い時期なのです。

 また、一般診療の病床数の減少も響いています。第5波では確保病床の不足が問題となりました。その反省から一般病床を新型コロナ用病床に切り替える形でさらなる病床の確保が進み、結果として一般病床の数が減ってしまったのです。

 マンパワーの低下もあります。各病院が新型コロナ診療のために看護師を確保するとなると、一般病床の看護師を当てて対応する必要があります。加えて、医療従事者自身が感染したり濃厚接触者になって、出勤できないケースも増えています。さらに、小児の感染拡大が追い打ちをかけています。オミクロンでは小児への感染も拡大しており、幼稚園・保育園・小学校で閉鎖するところもでてきています。すると、小さな子どもがいる医療従事者は休まざるを得なくなります。実際、当院でも看護師の出勤停止が増加したため、今週から一般病床の8%程度を減らし、予定手術の制限を始めざるを得なくなりました。

 以上のような理由で起こっている一般病床の逼迫は、救急医療だけでなく、予定入院や予定手術の延期といった悪影響を通常医療に対しても与えてしまいます。