中東に遠征する海自隊員への“罵声”

 政府は先月18日、シーレーン(海上交通路)を通る船舶の安全に関する情報収集のため、防衛省設置法の「調査・研究」の目的で、「P-3Cオライオン」哨戒機2機と護衛艦「たかなみ」を中東に派遣した。

 この措置に対して、立憲民主党や共産党などは反対した。その理由が「派遣地域が危険だから自衛隊の安全が確保されない」というものである。

 元自衛官の筆者には、このセリフは偽善に聞こえる。

 自衛隊発足以来、立憲民主党など左翼政党の「先祖」に当たる社会党や共産党は国会論戦や街頭デモなどで自衛隊を敵視し続けてきた。

 今日の左翼政党も何ら変わらないスタンスだ。自衛官だった私はそれを肌で感じる。

 そんな自衛隊を憎む左翼政党が取ってつけたように「自衛隊の安全が確保されない」と言っても「屁理屈」にしか聞こえない。

 腹の中では「派遣前にこれだけのアリバイを国会で作っておけば、海上自衛隊員に不測の事態が発生した場合にも『それ見たことか、俺たちは反対したじゃないか』と政権を攻め立て、政局に大打撃を与えられる」と算段しているに違いない。

 左翼政権の別動隊(「市民」と自称)も海自の中東派遣反対デモで「自衛官の命が心配」と、偽善の台詞を口にした。

 護衛艦「たかなみ」の隊員が、日本国民のために命懸けで中東に出発するその日も、「市民」団体は海と陸から抗議の声を上げた。

 彼らのシュプレヒコールは、日本の商船・タンカーの護衛のために命懸けで中東に向かう海自隊員たちにとっては“罵声”としか聞こえなかったはずだ。

 この「市民」たちは、日々使う乗用車・電車や電気がどこからもたらされているのか知っているのだろうかと疑いたくなる。