自民党総裁選(9月29日投開票)が大混戦になる見通しが強まり、衆院選の日程が11月中にずれ込む可能性が高まってきた。まず、衆院選の投開票日に関しては、筆者の昨年来の予測してきた「10月17日」説は修正せざるを得ないかも知れない。もちろん、まだ任期満了による「10月17日投開票」の線は残ってはいるが。

ワクチン接種回数では世界5位なのだが

 菅首相が新型コロナ対策の切り札に位置付けてきたワクチン接種は、首相官邸の発表によると、8月27日時点で1億2453万4483回に達している。回数だけでみると中国、インド、アメリカ、ブラジルに次ぐ世界第5位で、1日あたりの接種スピードは先進国でも最も早い部類に入る。まさに菅政権の大きな実績といえる。

 しかし、評価されているかどうかは別問題だ。希望していても接種できていない20〜30代がまだ目立ち、職域接種がもたついた経緯などから、「ワクチン確保に失敗している」との印象が広まっている。実際は前述のようにそれほどでもない。この点は菅首相にとって不幸と言える。目下、総裁選はマイナス評価に喘ぐ菅首相と、二階俊博幹事長を外すという「目玉人事」を掲げた岸田文雄前政調会長との対決が軸となりそうだ。

 ただ、ここにきて石破茂元幹事長の参戦が取りざたされており、高市早苗元総務相、下村博文政調会長を含め、計5人の出馬も想定される。となれば、総裁選は決選投票までもつれる公算が大きい。

 ここからの政治的駆け引きは極めて予想が難しい。総裁選にまつわる“狂騒曲”は当面続くとみられるので、その結果予想についてはいったん脇に置き、まずは自民党が衆院選で大敗しても政権を維持すると推測できる理由を指摘してみたい。これは菅首相の強気の理由につながってくる大事な要素だからだ。