(後藤 健生:サッカージャーナリスト)

 ベトナムのホーチミン市を訪れた。僕はハノイには何度か行ったことがあるが、ホーチミン市は初めてだった。

 だが、なにしろ1960年代から70年代にかけてのベトナム戦争は、自分が学生時代の多感な時期の出来事であり、市内のあちこちの地名を今でもよく覚えている。今回は「AFC U-19選手権の予選」というかなりマイナーな大会の取材で来たのだが、スタジアムがあるチョロン地区(中国人街)は南ベトナムのゴ・ディン・ジエム大統領が1963年の軍事クーデターの後に殺害された場所である。

2030年ワールドカップの主力選手たち

 さて、「AFC U-19選手権の予選」といってもサッカーに詳しくない人には何の大会か分からないだろう。現地の日本人たちからも聞かれたのだが、僕は「2030年のワールドカップで日本が決勝進出をする時の主力選手たちの大会」と答えておいた。

 U-18、つまり18歳以下(2001年以降の生まれ)の選手たちの大会であり、来年(2020年)、ウズベキスタンで開かれるアジア・サッカー連盟(AFC)のU-19選手権の予選に当たる。そして、U-19選手権でベスト4に入ると、2021年に開かれるFIFA主催のU-20ワールドカップ出場権が得られるのだ。U-20選手権で世界の同世代のトップとの真剣勝負を体験することは、日本人選手の成長にとって大きな意味がある。

 順調にU-20ワールドカップで活躍すれば、彼らは2024年のパリ・オリンピックの主力となり、さらにA代表で活躍が期待される。2030年にワールドカップが開かれる時には、現在のU-18日本代表たちはちょうど29歳。まさに、サッカー選手としてキャリアのピークを迎えている頃なのだ。

サッカーへの理解度が上がってきた若い世代

 対戦相手はグアム、モンゴル、そしてベトナムという、日本から見れば格下の相手ばかり。そんなマイナーな大会をわざわざ取材に来た1つの理由は、僕は日本の若い世代に大きなポテンシャルを感じているからだ。