前回(「中国で起業するのはどんな人?成功者の4つのタイプ」)は、中国ベンチャー市場を読み解く上での第3のキーワードとして、「万人の創業+絶え間ない人材の流入」を取り上げた。「新卒起業家」「海外留学組」「ネット大手の卒業組」といった、多様かつ巨大な”創業人材プール”から、1日1.2万社が誕生。政府も「負の遺産」(重厚長大型産業からの失業者)の受け皿として、積極的に新規産業領域での創業を促していることを述べた。また、「ヒト」の視点から、4タイプのパターンがあり、「草根(国内叩き上げ)+海亀(海外留学組)」のハイブリッド型が最も投資家に好まれることもご紹介した。

 今回は、第4のキーワードとして「豊富な資金調達環境」、つまり「カネ」の視点から見ていきたい。

中国ベンチャー市場を読み解く6つのキーワード
(4)豊富な資金調達環境

□ベンチャー向け資金調達の全景
:総額で北米(10兆円レベル)に迫る勢いに

 中国における、ベンチャー企業向けの資金調達の主要チャネルは、大別すると3パターンが存在する。「(A)エンジェル投資家」「(B)ベンチャーキャピタル」「(C)スタートアップ出身の上場企業」である。これ自体は、世界的に見ても一般的であろう。

 そこで、各パターンによる資金調達額を、中国・米国・日本で比較しつつ、非常にざっくりと俯瞰してみたものが下図である(世の中に(A)(B)と(C)を分解したピンポイントのデータが存在せず、複数データソースを用いた推定となっている点をご容赦いただきたい)。