前回(「10兆円に迫る中国ベンチャー投資、資金はどこから?」)は、中国ベンチャー市場を読み解く上での第4のキーワードとして、「豊富な資金調達環境」を取り上げた。

 ベンチャー向け資金調達総額は、10兆円(北米レベル)に迫る勢いで、特にBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)らのプレゼンスが大きい。そして、彼らネット大手による「別財布からの巨大投資」(中核事業のマーケ/HRコスト)と、エンジェル投資家によるスピーディーな「選択的バラマキ投資」の狭間で、中国ベンチャーキャピタル業界は、世界有数の激戦区に変化。裏を返すと、起業家にとっては、恵まれた資金調達環境になっていることを述べた。

 また、急拡大する人民元建てファンドの背景には、「ヒト」だけでなく「カネ」も、伝統型国営企業から新たな成長領域にシフトさせていきたい政府の意図があることも付言しておこう。

 さて、今回は、第5のキーワードとして「ハイリスク / ハイリターンが可能な投資環境」を取り扱う。特に、これまで紹介してきたような華々しい成功事例だけでなく、中国ベンチャー企業の失敗パターンについても可能な限り紹介してみたいと思う。