北朝鮮国内の非公表の場所で打ち上げられた北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」。朝鮮中央通信(KCNA)配信(2017年7月28日撮影、同月29日配信)。(c)AFP/KCNA VIS KNS 〔AFPBB News〕

 北朝鮮は7月28日の深夜23時42分頃、ICBMとみられるミサイルを発射、ミサイルは約1000キロ飛翔し、奥尻島沖合の我が国EEZ内の海域に落下した。飛翔時間は45秒間で、高度は3000キロ以上に達したと報じられている。

 今回のミサイルは「38ノース」の発表によれば、7月4日に発射された「火星(ファン)14」よりも燃焼時間、最高高度からみても射程がより長くなり、9000キロから1万キロに達し、米大陸本土東海岸も攻撃できる能力を持つとみられている。

 米国防総省も、発射から2時間後に、今回のミサイルをICBMと判断していると公表している。その能力からみて、ICBMであることは間違いない。

 北朝鮮のICBM完成は1〜2年後とみられていたが、予想よりも早く、確実に完成に近づいている。軍事技術的にも戦術的にも戦略的にも、その衝撃は極めて深刻である。日本国民にも気概と行動が求められている。

1 今回のICBM実験の軍事技術上の衝撃

 38ノースによれば、前回の7月4日に発射された火星14は2段式だが、1段目は、「火星12」の1段目よりもエンジンの出力と燃料搭載量を増して、やや大型化し、最大射程が7500キロで、西海岸に最大で重量650キロの弾頭を到達させられる能力を持つとみられていた。

 火星14の2段目は、銀河(ウンハ)の3段目と同じ型のミサイルとみられている。しかし2段目は推力が不足しており、ICBMには不向きで改良が必要とみられていた。

 今回のミサイルでは、2段目がより強力なエンジンのミサイルに改良された可能性が高い。ICBMとしてより完成度が上がっている。

 残された課題の、大気圏再突入後の弾頭の信頼性については、確実な情報はないが、試験ごとに向上しているとみられる。今回もロフティッド軌道をとっており、再突入時の弾頭の信頼性向上が、試験の目的の1つであるとみられる。

 7月中頃から日本海で、北朝鮮の潜水艦が1週間以上連続して活動していることが報じられているが、今回のICBM発射試験の弾着観測などの任務を帯びていた可能性もある。

 精度確認とともに、弾着直前の起爆装置の作動確認といった再突入時の弾頭の信頼性確認も目的であったのかもしれない。この推測の当否は、北朝鮮の潜水艦や情報収集艦などの行動や通信電子情報により確認できるであろう。

 核弾頭の開発および核実験の準備については、38ノースの衛星画像の分析結果によれば、豊渓里(プンゲリ)の核実験場の北坑でも、管理施設などでも顕著な変化はみられない。新たなトンネルを掘っている兆候もない。

 しかし、即応態勢は維持され、排水も定期的に行われており、命令があり次第、核実験を行える状況にあるとみられている。