文在寅政権の反日姿勢に
毅然とした対応をとるべき日本

 文在寅政権下で、韓国最高裁は、いわゆる「元徴用工訴訟」において、日本企業に対し損害賠償を命ずる判決を下している。

 しかし、日韓請求権協定により、すべての請求権問題が、個人補償も含めて、日韓で「完全かつ最終的に解決することとなることを確認した」はずであった。

 このような国際間の取り決めに反する国内司法の裁定については、国際法に基づき、国内司法を自制させるとともに条約上の取り決めを遵守すべき責任が、文在寅政権にはある。

 しかし文政権は、司法の独立を口実にして、対応策をとろうとしていない。

 これは、日韓基本条約締結交渉時の22億ドルに上る在韓日本財産請求権放棄に次ぐ、日本人・企業の財産権に対する侵害をもたらしかねない裁定である。日本政府が日本企業の財産権を守り抜くとしているのは当然の措置と言える。

 日韓基本条約交渉当時と現在とは、日韓関係は大きく変化している。

 日本としては、韓国を特別扱いし、国際の法規慣例と事実関係を無視して、不当な要求を突きつけてくる韓国、特に親北姿勢を明確にしている文在寅政権に対しては、譲歩し、あるいは特別扱いをする必要はない。

 むしろ安全保障上の観点からも、国際的責務を果たすためにも、正当な要求は通さねばならない。

 対韓輸出規制強化措置についても、大量破壊兵器に転用可能な物資がイランやシリアなどに密輸されていることも、文在寅政権になってからその件数が3.4倍、金額で24倍に急増していることも明らかになっている。

(西岡力「安倍首相が信用しない理由」『正論2018年9月号』)

 このような状況は、日本の安全保障にとり看過できない問題である。