(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 2020年1月、米国の首都ワシントンで、中国の人権弾圧を調査し非難する報告が相次いで3件発表された。そのいずれもが中国の習近平国家主席を苛酷な人権弾圧の最終責任者として厳しく糾弾していた。

 日本は、そんな“世界でも最悪の人権抑圧者”をあえて国賓として招こうとしている。日本のそうした態度は改めて国際的な批判の的となりそうである。

中国の人権弾圧を非難する3つの報告書

(1)「中国に関する議会・政府委員会」

「2019年の中国では、習近平国家主席の指令に従って、自由を求める市民、民主主義の活動家、宗教信仰者、少数民族などへの組織的な弾圧がかつてない苛酷さで実行された」

 以上のように報告したのは、1月上旬に公表された「中国に関する議会・政府委員会」の2019年度年次報告書だった。同委員会は米国の議会と政府が合同で中国の人権や社会の状況を恒常的に調査・報告し、立法府、行政府の両方に政策勧告をする機関である。同委員会の設置は法律で定められており、すでに20年ほどにわたって機能してきた。

 今回の報告書では「2019年の中国の人権状況は前年より大幅に悪化した」と指摘している。その原因として「習近平氏の独裁体制強化への強力なインプットの増大」があるという。