(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

 中国でコロナウイルスに感染して死亡する人が増え続けている。中国以外でも香港とフィリピンで死者が報告されているが、どちらもこの原稿を書いている2月11日時点では、1名ずつである。中国における死者は1000名を超えているから、死亡するケースは中国で圧倒的に多い。

 中国以外では感染者が少ないために死者が少ないとも考えられる。コロナウイルスが感染した場合の死亡率は1%から2%程度と見積もられているから、1000人が死亡したのなら中国の感染者数は数万人から10万人になっているはずだ。しかし11日の時点では、中国での感染者は約4万2000人と発表されている。感染者数が少なく見積もられている可能性がある。

 これは当局が故意に感染者数を少なめに公表しているためとも考えられるが、これだけの混乱が生じており、またその初動体制における隠蔽体質が批判されていることを考えると、あえて低めの数字を発表しているとは考えにくい。感染者数が少ない真の理由は、確実な検査を行って感染者を特定する能力が不足しているからだろう。この辺りの医療水準の低さが感染を抑え込めない原因になっていると考えられる。

一気に経済大国になったが平均寿命は?

 中国、特に湖北省など地方の医療水準はどの程度のものなのだろうか。それを客観的に判断する資料は乏しいが、ここでは各国の平均寿命を比較することで医療水準の差異を考えてみたい。中国のデータは信用が置けないものが多いが、人が何歳で死んだかという記録から計算される平均寿命は、比較的信頼性が高いデータである。