(北村 淳:軍事社会学者)

 8月下旬に米連邦議会調査局が公表したレポート「中国海軍力の近代化」および9月初旬に米国防総省が公表したレポート「中華人民共和国の軍事ならびに安全保障の進展─2020年度版」では、中国海軍の強大化に関して深刻な警鐘を鳴らしている。

わずか20年足らずで・・・

 先月(8月)28日、艦齢およそ30年の中国海軍051G型駆逐艦「湛江」と「珠海」が退役した。これら2隻の駆逐艦は、1968年から1991年にかけて幾度かの改良を加えながら建造された中国海軍051型(旅大型)駆逐艦の最後の退役艦となった。

 051型駆逐艦は、それまで中国沿海域しか活動できなかった中国海軍が初めて外洋に乗り出すことが可能な軍艦を手にするために建造された。中国は西側諸国はもちろんソ連との関係も悪かったため、この中国初の近代的駆逐艦を、かつてソ連から手に入れていた軍艦を参考に独自に造り出すことになった。

 051型一番艦である「済南」は1971年末に就役したものの、建艦技術だけでなく、操艦技術や海戦能力をはじめとする海軍自体の練度も極めて低かった。そのため、外洋に051型駆逐艦を展開させるには長い年月を要した(一般的に、海軍建設には少なくとも25年以上は必要と言われているので決して特別なことではない)。