(北村 淳:軍事社会学者)

 太平洋のど真ん中に広がる島嶼国キリバス共和国(Republic of Kiribati)は、世界的気候変動の影響で海面水位が上昇しているため、やがては国土を形成する島嶼環礁の大部分が水没する運命にある。

 そこでキリバスでは、島嶼環礁にかさ上げ埋め立て工事を実施して、水位上昇によっては水没しない「人工島状態」にしてしまう動きが具体化しつつある。人工島の建設工事を手掛けるのは、南沙諸島に短期間で8つもの人工島を生み出した、「人工島建設にかけては世界最強」の中国である。

日米が死闘を繰り広げたタラワ

 キリバス共和国は太平洋中部の広大な海域に点在する33の島嶼環礁からなる島嶼国家だ。国土面積は狭小であるが、排他的経済水域は極めて広大であり、その水域の面積は世界第3位である。

 首都はタラワ(タラワ環礁)にある。タラワ自身も24の小島から形成されている環礁であり、環礁の最高地点は標高3メートルである。タラワ環礁のバイリキ島がキリバス共和国の政治の中心となっているが、国会はアンボ島にある。タラワ環礁の中で最大面積のボンリキ島には、ボンリキ国際空港が設置されている。経済活動の中心地は、港湾があるベシオ島である。