国内政治への配慮が外交に大きな影響を及ぼす事例は米国の外交政策だけではない。

 英国のブレグジット(EU離脱)、中国の香港国家安全維持法制定とその運用、新疆ウイグル自治区における人権侵害なども広い意味で内政が外交に大きな影響を及ぼしている事例である。

 いずれもグローバル社会の中で注目される大国ばかりである。

 小国の場合には自国内の都合で外交を動かそうとしても、相手国が受け入れないため、そもそも国内政治向けの外交を実施できない。

 ただし、最近はグローバル化の急速な進展の中で、大国といえどもグローバル社会との協調を重視せざるを得なくなってきた。

 バイデン候補を支持する学者・有識者の多くが、対中政策を見直すべき方向として、同盟国、関係国との対話を重視し、多国間主義に基づいて対中政策を練り直すべきであると主張しているのはそうした背景による。

ファーウェイ排除政策が変化する可能性

 そうした文脈の中でしばしば取り上げられるのがファーウェイ問題である。

 6月頃までは米国の学者・有識者の誰に意見を求めても、米国政府はファーウェイだけは許さないだろうとの答えが返ってくることが多かった。

 ところが、9月になると、複数の有識者から米国のファーウェイ排除政策について、次のような見方が示されるようになった。