(北村 淳:軍事社会学者)

 インドが隣国ミャンマーに潜水艦を供与した。太平洋方面のみならずインド洋にも進出態勢を強めている中国海軍に対抗するため、ミャンマー海軍が完全に中国に取り込まれないように手を打ったのである。

インド洋を狙い始めた中国

 陸地の国境地帯で中国と領土紛争中のインドは、ベンガル湾で中国と対峙することを想定して、ミャンマーとの軍事的友好関係を構築しようと努力している。

 一方、中国は、ベンガル湾に面するバングラデシュへの軍事支援を強化している。

 たとえば、中古艦艇の供与だ。バングラデシュ海軍が運用中のフリゲート(駆逐艦よりも小型の水上戦闘艦)のうち訓練用の2隻はアメリカ沿岸警備隊の中古警備艦を改装したものであり、1隻は韓国製であるが、主力艦となっている2隻と現在最終試験中の2隻、それに改装中の2隻の合わせて6隻は、中国海軍が使用していた中古フリゲートである。また、中国はバングラデシュ海軍に2隻の潜水艦を供与した(ただし旧式の明型潜水艦であるが)。それらに加えて4隻のコルベット(フリゲートよりも小型の水上戦闘艦)、4隻の対潜哨戒艦、6隻のミサイル艇も中国海軍の中古艦艇がバングラデシュ海軍で運用されている。