中国とロシアの爆撃機が昨年の12月22日、日本海〜対馬海峡〜東シナ海〜宮古海峡を飛行、そして帰投した。

 この合同飛行の狙いは、中国が米国や同盟国による包囲網に対抗すること、ロシアとの緊密な関係を誇示することだ。

 特に、強固な軍事協力関係を誇示したいようだ。

 だが、協調の一つの手段として、なぜ、爆撃機の合同飛行を実施するのか。そして、なぜ、日本海〜対馬海峡〜東シナ海〜宮古海峡の上空なのか。中国軍機が南北に分かれて飛行したのか。

 これらの点に大きな狙いが潜んでいると思われる。

1.中露爆撃機合同飛行の詳細

 中露爆撃機が飛行した航跡を見ると、まず日本と韓国の中間線を、次に日本と中国の中間線から尖閣諸島に向けて飛行したことが分かる。

 日本海や西太平洋で行われたのではない。なぜ、中露爆撃機が今、領土・領海の問題がある日中や日韓の中間を飛行するのか。

 2019年の7月にも同様の合同飛行を行ったが、中国軍機の飛行経路が少し異なる。

 この少しの違いの分析で、今回の戦術目的が明らかになった部分もある。

 ロシア空軍機は日本海〜対馬海峡〜東シナ海中間線〜宮古海峡〜太平洋、そして同じコースで帰投した。

 北部を飛行した中国空軍機は、基地を出発し、対馬海峡を越え、日本海からロシア機と同じ航跡をたどり、対馬海峡を通過して、その後、中国の基地に帰投した。

 南部を飛行した中国軍機は、北部を飛行した機と交代し、日本の五島列島付近まで進出し、ロシア軍機と同じ航跡をたどり、東シナ海の日中の中間線付近沿いに南下し、宮古海峡を横断して、その後同じ航跡をたどり、五島列島付近から、基地へ帰投した。

中露爆撃機合同飛行(左:2019年7月 右:2020年12月)