そして現れた慰安婦を食い物にする人々

 日韓請求権協定で、国交が正常化したかのように思えた日韓だが、ある日本人がその関係を壊し始めた。故・吉田清治氏と朝日新聞だ。

・1977年 吉田清治氏が「朝鮮人慰安婦と日本人 元下関労報動員部長の手記」を出版

・1982年 朝日新聞が吉田清治氏の証言を初めて紙面に掲載し、以降、同氏の証言を度々掲載

・1983年 吉田清治氏「私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行」を出版

・1991年 朝日新聞の植村隆記者が「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」という記事を掲載

・1992年 朝日新聞にて、中央大学教授・吉見義明氏の「慰安所への軍関与を示す資料」を掲載

 これら日本の動きを受け、1990年11月に韓国で挺身隊問題対策協議会(挺対協)が結成された。その翌年の1991年8月14日には金学順(キム・ハクスン)氏が、慰安婦だったと名乗り出る。同年12月には、韓国人元慰安婦が日本政府を相手に謝罪と賠償を求める訴訟を東京地方裁判所で起こし、日本と韓国の“慰安婦戦争”が本格化する。

 ちなみに、日本政府は、1992年1月に掲載された朝日新聞の「軍の関与を示す史料」を発見したという報道を受け、当時の宮澤総理がすぐさま訪韓、慰安婦問題について反省とお詫びの意を表明した。

 その後、「河野談話」等を経て、日本政府は1995年7月19日に「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を発足させた。韓国向けでは、1997年1月に、元慰安婦計61人に、1人当たり200万円の「償い金」を支給し、医療・福祉支援事業300万円を拠出。小泉純一郎総理の署名入りの「おわびの手紙」を合わせて送った。

 この日本政府の対応を見た韓国は、「慰安婦」と言えば日本が無条件に頭を下げて、巨額の資金を拠出してくれることを覚えたようだ。先進国の日本が、自分たちの一声で頭を下げる。おまけにカネつきだ。韓国は甲乙関係をはっきりとつけたがる国柄である。そんな国民性がある韓国で「慰安婦」の3文字は魔法の言葉となった。

 この魔法の言葉に目をつけた人物に、2020年から話題の尹美香(ユン・ミヒャン)氏がいる。彼女は1992年、旧日本軍慰安婦を支援する挺対協発足時に幹事として参加した。2008年から、彼女の数々の悪行が公になる2020年まで挺対協と後の正義連で常任代表と理事長などを歴任した。2020年になって分かったことだが、彼女はこの間、日本政府などが拠出してきた資金を浪費し続けていたと批判されている。

 尹美香氏は、元慰安婦のおばあさんたちにカネが渡るのを阻止して、自分の懐に入れようと、日本政府の元慰安婦たちに対するカネの直接の受け渡しを妨害したとも言われている。彼女は、正義連にカネが入れば、こちらから支給すると嘘をついてだまし取ったのだ。

 最近はあまり取り沙汰されていないが、「慰安婦像」を制作している韓国人夫婦、金運成(キム・ウンソン)と金龧炅(キム・ソギョン)も尹美香氏と同様だ。

 この韓国人夫妻は、慰安婦像が一体設置されるたびに3万ドル(約340万円)ほどの収入を得る。像には著作権が設けられ、実質的にこの夫婦しか制作できない仕組みになっている。平和の象徴だと称する慰安婦像が、である。

 もし仮に、韓国の主張する慰安婦に対するイメージが正しいのなら、慰安婦像は誰にでも制作でき、誰でも設置できるようにすべきだろうが、夫婦はそれを許していない。

 この夫婦も慰安婦問題が完全に解決してしまえば自分たちの収入が減るため、尹美香氏と同様、日韓慰安婦問題の完全な解決は望んでいないのだろう。むしろ、日韓関係が悪化している方がビジネスチャンスなのだ。