中国の旧暦の正月である「春節」、今年は1月28日に始まります。春節ではお互いにモバイルペイメントなどでお年玉を送りあう「紅包」が、年中行事となっています。決済サービスは、ユーザー拡大を狙ってこの時期に大規模なキャッシュバックキャンペーンを行っています。この春節間近の時期にバイトダンスが新規参入したのも同様の狙いがあると思われます。

デジタル人民元も競合相手

 競争相手はこれだけではありません。官による通貨の本格的な電子化、「デジタル人民元」です。

 以前の記事「デジタル人民元、いよいよ一般市民に配布開始」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63399)でお伝えしたように、去年から実証実験が始まっています。

 深圳市では、2020年の初頭に限定された対象者で実験を行い、同10月に一般市民に拡大(総額1000万元)。そして2021年1月には配布地域を郊外にも広げた3回目の実験が行われています。3回の配布総額は合計で5000万元(約8億円)に達しました。

 報道などによると、北京や中国西部の大都市である成都でもデジタル人民元の公開導入実験が進められています。

 スマホなどによるデジタル決済手段と考えると、デジタル人民元も有力な選択肢です。2010年代に中国の決済デジタル化を支えてきたアリババとテンセントですが、今後はPayPal、バイトダンス、デジタル人民元という有力プレーヤーと戦っていかなければいけない時代になったのです。

(加藤 勇樹)