バイデン政権は、貿易、ハイテク、安全保障、人権の分野で対中強硬姿勢を継続するであろう。

 尖閣諸島を巡って中国と対立している日本にとって、ジョー・バイデン政権の対中外交・安全保障政策は最大の関心事である。

 また、日本の平和と安全に直結する台湾・北朝鮮政策も同様に大きな関心事である。

 1月20日、米国の第46代大統領に民主党のバイデン氏(78)が就任した。バラク・オバマ政権で副大統領であったバイデン氏は、副大統領時代には対中関与政策を支持していたが、その後対中姿勢を硬化させている。

 大統領選挙運動中は中国政府の香港での行動を激しく非難するとともに、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒住民に対する政策が「良心に照らして受け入れ難い」と語り、習近平国家主席を「悪党(thug)」とさえ呼んだ(詳細は後述する)。

 また、1月20日の大統領就任演説では「同盟を修復し、再び世界に関与する」と述べ、国際協調を重視する姿勢を示した。

 バイデン新大統領が、同盟国との関係を改善し、中国の無法な行動や傲慢な態度を抑え込むことを期待したい。

 さて、米国では大統領就任から最初の100日間は「ハネムーン期間」とされ、大統領の政策や行動を市民やメディアがある程度、好意的に見る伝統があるそうである。

 現在は就任2週間足らずであり、バイデン政権の政策を云々するのは時期尚早と思われるかもしれないが、バイデン大統領をはじめ政権の主要メンバーから主要な政策を示唆する様々な発言がなされている。

 本稿は、それらの発言からバイデン政権の対中政策を推測することを目的としている。

 はじめに、バイデン氏の略歴等について述べ、次に、大統領選挙中に、バイデン氏が習近平氏および北朝鮮の金正恩氏を悪党(thug)と呼んだ発言を紹介する。

 次に大統領就任後のバイデン政権の主要メンバーの発言を述べ、最後にバイデン政権の対中・対台湾・対北朝鮮政策を推測する。