(呉 花梨:日韓通訳者・翻訳者)

「独島は我が国の領土」

 これは、1982年に韓国で作られた流行歌のタイトルだ。この歌は国民的ヒットソングとなり、その後、何度も歌詞がグレードアップされて作り替えられた。なぜこれほど韓国の全国民から愛され、人気を博したのだろうか。

 韓国人である私は、小学校から高校までの12年間、歴史の時間にわが国の植民地時代について学んできた。また、その時代が背景になったドラマでは、日本人巡査がどれだけひどい人たちだったのかを目にした。国を奪われるというのは、このような悔しさと悲しみ、そして多くの悲劇に耐えることなのかと思った。

末弟に蹂躙された次兄

 私が知っている韓国は平和を愛する国だ。他国を侵略せず、中国の文化を日本に伝える役割を果たしてきたし、日本を敵対国として認識していなかった。中国は無知だったわが国に文化を伝えてくれた兄の国であり、野蛮な国とされていた日本は、韓国が文化を伝えて悟らせた弟の国だった。

 儒教を国教として受け入れ、礼儀を重視していた朝鮮は、兄の国である中国を奉じ、弟の国・日本の面倒を見なければならないという気持ちを持っていた。しかし、1910年の韓日併合により日本の植民地となったことで、半島周辺の国々と大小の戦争を経ながらかろうじて守ってきた民族のプライドは、一瞬にして崩れてしまう。

 私の徹底した愛国心は自然と反日感情につながった。韓国民であれば、このような気持ちを持つのは当然だと思っていた。日本人は加害者、韓国人は被害者なのだから。そうした韓国人にとって反日感情の象徴こそ独島ではないだろうか。