実刑判決を受けた尹美香氏の夫と義理の妹

 2013年1月29日、韓国のメディアは一斉に、警察が挺対協の尹美香(ユン・ミヒャン)代表を国家保安法違反容疑で捜査したというニュースを伝えた。ソウル地方警察庁保安課は2011年に発布された捜索差押許可状に基づき、尹美香氏が後に語ったところによれば、2007年以降の尹美香氏のEメールアカウントを捜索するなど捜査を進めてきたが、特に問題がなかったため調査を終えたと通達してきた、という。

 今になって考えれば、当時の捜査は非常に残念である。尹美香氏のEメールアカウントを調べただけで捜査を終結するとは、捜査する意思があったのかどうかも疑わしい。公開されているEメールのアカウントで、スパイが北朝鮮の担当者とやりとりをしているなどと考えていたのか。たとえ北朝鮮とやり取りがあっても、他人の知らない秘密のアカウントを使っていたに決まっている。警察に捜査の意思があったなら、挺対協事務所や尹美香の自宅を家宅捜索し、パソコンや携帯電話などを押収して精査していただろう。

 つまり、当時の捜査官は上部の指示に従って形式的に捜査を進めただけだ。警察が慰安婦支持団体が北朝鮮のスパイであるという「慰安婦スパイ団説」をクロだと思っていなかったことが、ここからも分かる。

 警察が捜査に着手したのは、挺対協が日本の朝鮮学校を支援していたため、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)との関連性を問題視したからだと尹美香氏は語っている。実際のところ、彼女はニセ慰安婦との指摘もある金福童氏らを連れて、日本にある朝鮮学校をしばしば訪問していた。彼女たちの正体を疑わないのが逆にいぶかしいと思えるほど、挺対協の活動は北朝鮮と朝鮮総連に偏向している。

 韓国の市民団体の代表が、日本に行くたびに朝鮮総連系の朝鮮学校ばかり訪問して、韓国側の民団や大使館などとは接触しないのはなぜか。これでは、「北朝鮮の指令を受けたスパイ団」と言われても仕方がない。

 尹美香のEメールが捜査されてすぐ、尹美香氏の夫である金三石(キム・サムソク)氏と、その妹の金銀周(キム・ウンジュ)氏が、1993年に「兄妹スパイ団」として実刑宣告を受けたことが世間に知られると、尹美香氏と挺対協は北朝鮮のスパイ団であることを本格的に疑われ始めた。