4月5日、北朝鮮体育省の機関紙『朝鮮体育』が、注目の記事を掲載した。タイトルは、「主体110(2021)年 朝鮮民主主義人民共和国オリンピック委員会総会開催」。全文は、以下の通りだ。

<主体110(2021)年 朝鮮民主主義人民共和国オリンピック委員会総会が、3月25日、平壌で開かれ、オリンピック委員会の委員たち、スポーツ関連部門幹部たちが参加した。オンライン方式で行われた総会では、朝鮮民主主義人民共和国オリンピック委員会が、主体109(2020)年の事業総括と、主体110(2021)年の事業の方向について討議した。朝鮮民主主義人民共和国オリンピック委員会委員長であるキム・イルグク体育相の報告に続いて討論した。

 報告者と討論者たちは、朝鮮労働党第8回大会と党中央委員会第8期第2回全員会議で、朝鮮をスポーツ先進国の隊列に入れるための課業と方途とが、具体的に明らかになるような話をした。彼らは、新たな5カ年計画の期間、国際競技などでメダル獲得数を持続的に増やしながら、全国にスポーツの熱気を高潮させていかねばならないと強調した。

 総会では、今年、専門スポーツ技術発展のための土台を準備し、国民スポーツ活動を活発に、組織的に進行していくにあたり、起こってくる実務的問題が討論された。朝鮮民主主義人民共和国オリンピック委員会は総会で、悪性ウイルス感染症のための世界的な保健危機の状況から選手たちを保護するため、委員たちの提議により、第32回オリンピック競技大会に、参加しないことを、討議決定した>

 以上である。文面を見る限り、北朝鮮のオリンピック委員たちは、さも真剣に討論したように思えるが、これほどの国家の重大事を、一委員たちが決められるはずなど、当然ながらない。決められるのはただ一人、金正恩総書記だけである。

東京五輪で金与正氏との会談を目論んでいた菅首相

 北朝鮮がオリンピックに参加しだしたのは、1964年の冬季インスブルック大会からで、これまで夏冬合わせて19回、参加している。1988年の夏季ソウル大会は、ボイコットした。

 記憶に新しいのは、3年前の冬季平昌(ピョンチャン)大会だろう。金正恩総書記の妹・金与正氏が韓国入りしたことで、その後のドナルド・トランプ大統領と金総書記との米朝首脳会談のきっかけを作った。