ショルテ氏の証言の要点は以下のとおりである。

・文在寅政権が与党の力で2020年12月に制定した「対北朝鮮ビラ禁止法」は、人権弾圧に苦しむ北朝鮮国民への激励を禁ずるという非人道的な措置だった。同時に、これまでは韓国領内の脱北者の保護にあたることが多かった韓国の警察などは、逆に脱北者の人権活動を監視し、禁止するようになった。

・文在寅政権は最近、北朝鮮から脱出して韓国に来た脱北者救済のための国家予算をほぼすべて削減してしまった。韓国内で北朝鮮政権のあり方への批判を表明する活動も事実上、禁止となった。韓国側から北朝鮮市民に向けて発信する貴重な手段だった風船などでの政治ビラ配布も禁止された。韓国で最古の脱北者救済団体「北朝鮮民主化委員会」の代表は、文政権のこの措置を「単に悲劇的や抑圧的というだけでなく、国民の基本権利を奪う憲法違反の行為だ」と言明した。

・北朝鮮の金正恩独裁態勢での人権弾圧は苛酷をきわめる。全世界が、その犠牲となっている北朝鮮国民の救済にあたるべき時なのに、その最大の責任を負うべき韓国政府は今や人権問題よりも金正恩体制を助けることに力を注ぐようになった。この動きは朝鮮半島の全住民にとっての悲劇である。