今回は、私たちが国際連携して進めている研究プロジェクト成果をお伝えしましょう。

 ドイツのミュンヘン工科大学と東京大学のAI生命倫理研究コアの医療統計解析から、インドの変異ウイルスは、実は致死率が低いという事実を紹介します。

 日本は大型連休の「人流」をどこまで抑えられるかが話題ですが、グローバルにはインドの感染爆発が国際社会の最大懸念事項となっています。

インドのケースから日本が学べること

 いま日本各地で問題になっている主要な変異株のなかでは「英国株」と呼ばれる「N501Y」というミュータントは感染力が従来の1.5倍程度、強い可能性が指摘されています。

 このN501Yといった呼称が、変異の正体を現していることは、すでに報じられていますのでご存じの方も多いと思います。

 念のため説明しますと、N501Yとは、ウイルスを構成するたんぱく質の「501番目のアミノ酸」が「N→Y」(N=アスパラギンからY=チロシン)に変化したことを意味します。

 いまインドで数多く確認されている「問題のウイルス」は正体不明時には「B.1.617」と呼ばれていました。Bはベンガル、インドで見つかったウイルスということです。

 このウイルスを分析してみると「G142D」「L452R」「E484Q」「D614G」「P681R」など多数の変異が観察されました。

 このうち

L452R 452番目のたんぱく質が L→R L=ロイシンからR=アルギニンに変化

E484Q 484番目のたんぱく質が E→Q E=グルタミン酸からQ=グルタミンに変化

 という2つの変異がウイルスの表面で人間の細胞に侵入するエリアで重要な(悪い)働きをしているという「正体」が分かりました。