(北村 淳:軍事社会学者)

 アメリカ軍にとって極めて重要な軍事拠点となっているハワイ州の経済は、海軍を中心とする米軍関係と観光関連産業が両輪となっている。

 新型コロナウイルス感染症のエピデミックが勃発すると、「“島国”であるハワイ州でもし感染爆発が勃発したら、総人口140万人の2割程度は命を落とす」といった米本土の研究機関の推測が公表されたこともあり、州政府や市当局は厳戒態勢を実施した。そのため、州の経済を支えていた観光客は一時途絶した。

 マスクの着用義務や徹底したソーシャルディスタンシングの実施など(違反者は最高で罰金50万円あるいは懲役6カ月)によって、恐れられていたような感染爆発は発生せず、アメリカでは例外的に感染者や死者が少ない状態が続いている。

 また、州内の保険情報システムが整備されていることも相まってワクチン接種率が極めて高くなっている。そのため、PCR検査の陰性証明は必要であるが、観光客再誘致に方針転換して、ホテルやレストランの営業も再開されつつある。