あのエバンジェリカルズからも離脱者

三、熱狂的なトランプ支持者だったキリスト教原理主義者、エバンジェリカルズからも離反者が続出している。

 聖書に書かれていることを一字一句信じるエバンジェリカルズが、キリスト教の教理にことごとく反対のことをしてきたトランプ氏をなぜ支持するのか。

 これにはいろいろな解釈があるようだが、ジョエル・ロレンス神学博士(ミネソタ州セントポールのセントラル・バプテスト教会牧師)はこう指摘している。

「バラク・オバマ元大統領が推し進めた医療保険制度改革(オバマケア)は、エバンジェリカルズにとっては共産主義・社会主義そのもの。またLGBTER(性的少数派)を合法化することはキリスト教的価値観に反するもの」

「これに真っ向から反対するトランプ氏は力強い勇士であり、エバンジェリカルズの味方だ。この際、同氏の社会通念やモラル観の欠如には目を瞑っても仕方あるまい、というご都合主義だった」

(https://www.pastortheologians.com/articles/2019/12/23/trump-christianity-today-question-of-history)

 その結果、2016年の大統領選挙にはエバンジェリカルズの80%、2020年には75%がトランプ氏に投票した。

 ところが、1月6日の米議会乱入事件以降、エバンジェリカルズのトランプ支持をめぐっては変化が生じた。

 事件を煽動したトランプ氏は米民主主義、ひいてはその基盤になっているキリスト教の精神に反する、と言い出すエバンジェリカルズの指導者たちが続出した。

 ピュー・リサーチ・センターの最新の世論調査では、それでもトランプ氏を支持すると答えたエバンジェリカルズは10人中8人。支持しない人はたった2人とはいえ、特記すべきことだった。

 トランプ支持では岩盤のような支持基盤だったエバンジェリカルズから離脱者が出始めたのだ。

 別のピュー世論調査では、ジョー・バイデン政権誕生で、最もダメージを受けたのは誰か、と尋ねたところ、第1位はエバンジェリカルズの50%。第2位はビジネス経営者、第3位は米軍、といった回答が出ている。

(https://www.pewresearch.org/fact-tank/2020/07/01/white-evangelical-approval-of-trump-slips-but-eight-in-ten-say-they-would-vote-for-him/)

(https://www.pewresearch.org/politics/2021/02/02/public-sees-black-people-women-gays-and-lesbians-gaining-influence-in-biden-era/)