空からの攻撃を防ぐためにイージス艦を配備するのですが、艦隊を守るためにはまだ不十分です。空母艦載機で、より離れたところで敵を排除する必要があります。ですから、現在の中国空母が海自にとって重大な脅威であるとは言えません。原子力推進機関がなく、十数機しか艦載機が搭載できない空母は、航空自衛隊の戦闘機と海自潜水艦で確実に沈めることができるからです。

 ただし、今後10年以内に中国の空母は少なくとも4隻以上になります。これは、日本の真南、つまり、第1列島線と第2列島線の間に、1隻の空母を含む中国艦隊が常駐するようになることを意味します。現在、南シナ海などに常駐し、訓練や他国に寄港などしているのがアメリカ海軍と海自です。その逆バージョンを中国海軍がしてくることになる、と考える必要があります。

 第2次世界大戦末期(1944年)、サイパンが陥落したことで米軍による日本への空襲が本格化しました。中国海軍の空母が常時いることになるであろう海域は、日本からサイパンまでの距離の約半分の場所です。ここで頻繁に訓練をすることになるのです。

 海自と空自は、この動きを警戒・監視する必要があります。長い滑走路のある空自の基地は太平洋側にないため、狭い基地からでも垂直離発着できるF35Bが必要となります。海上での警戒監視中に本土まで戻る余裕がないことも考えられます。そこで必要になるのが、海上基地です。海自護衛艦「いずも型」2隻の空母への改修は、空自戦闘機をどう運用するかとの視点から設計されたものなのです。海自の艦隊防空用の空母を造るのは、おそらく20年ほど後になるでしょう。