(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国ではバイデン政権が中国に対して融和の姿勢を取り始めたとの指摘が顕著になってきた。

 バイデン政権は当初、中国を最大の競合相手とみて、中国の対外膨張の動きを厳しく抑える方針を掲げた。しかしその態度を和らげ、協調の領域を拡大する気配をみせてきた、というのだ。この動きに米国内部の各方面から批判や警告が発せられている。

中国の人質外交の威嚇に屈服

 バイデン政権の対中融和への非難で第一に目立ったのは、トランプ前政権の国家安全保障担当の大統領補佐官ジョン・ボルトン氏の論考だった。

 トランプ前大統領に対しても批判的だったボルトン氏は国際安全保障の権威だが、10月はじめにワシントンの政治新聞「ワシントン・エグザミナー」に「中国に対する米国の弱み」と題する論考を発表し、バイデン政権の最近の対中政策が弱くなり、危険な状態になったという見解を明らかにした。