1.戦略ミサイル最優先の軍備拡大

 北は、ミサイルを焦点として兵器を開発してきた。金正日が死去し、金正恩氏が金一族の後継者となった時には、北軍のすべての兵器は、時代遅れになっていて韓国の兵器と比べて、かなり見劣りしていた。

 北が有利だったのは、特殊部隊だけであった。もし、北が南進すれば、米韓軍の航空攻撃で、その攻撃が頓挫する可能性が大であった。

 北の深刻な経済低迷の状況で、この劣勢を挽回するのがミサイルであったのだ。

 米国本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)、ハワイ・アラスカ・グアムに届くIRBM(中距離弾道ミサイル)、日本全域に届くMRBM(準中距離弾道ミサイル)、韓国を狙うSRBM(短距離弾道ミサイル)や超大型多連装ロケット砲、水中から発射できるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を完成させた。

 これらのミサイルやロケットが向けられる国は、米国・日本・韓国だ。

 とはいえ、最も狙いを定めて軍事力を集中しているのは、やはり韓国だ。それも韓国の南部へ徹底して直接攻撃できる能力を持つことなのだ。

 22連装の240ミリ多連装ロケット砲が40〜60キロ、300ミリ多連装砲が220キロまで、ATACMS版が300キロまで、450〜600ミリ多連装砲が330キロ、イスカンデル版が400〜500キロまで、新型短距離弾道ミサイルが750キロまでを射程として制圧できる。

 つまり、韓国の全域をあらゆる多連装砲や短距離弾道ミサイルでくまなく、同時に奇襲攻撃できる能力を保持することができた。

 今回の展覧会では、これまでのロケットの長さを2倍くらいにした300ミリの12連装多連装砲が初めて展示された。

 北朝鮮は、韓国への攻撃兵器をこれでもかというくらいに見せつけた。

 これらのミサイルなどは、閲兵式に登場させ、さらに展覧会に展示すれば、国民には威容を示し、敵対国には抑止力が働く。

 韓国に勝利できる戦力を保持した金正恩委員長は、最高の指導者だということになる。