「トランプさん、州知事当選おめでとう!」

 ピューリッツァー賞受賞の当代屈指のサチリスト(風刺ジャーナリスト)、アンディ・ボロウィッツ氏が11月3日の「ニューヨーカー」のコラムにこう書いた。

「ドナルド・トランプ氏がついに当選した。バージニア州知事選で僅差で勝ったのだ。トランプ氏は祝勝会でこう宣言した」

「『(共和党知事候補の)グレン・ヤンキン氏はいい男だ。私の代理役としてよく戦った。ご苦労さん。だが実際に当選したのはこの私だ。私が知事として最初にやるのは隣接州ウエストバージニア州との州境に壁を築くことだ』」

 今回の選挙でトランプ氏とは関わり合いを持とうとしなかったヤンキン氏の「勝利」を横取りするトランプ氏を皮肉り、返す刀で同氏が大統領として成し遂げた最大の仕事と自負するメキシコとの国境に壁を作ったことを引き合いに出して、離接する州との間に壁を建設すると言わせる。

 皮肉が炸裂するボロウィッツ氏の痛烈なパンチだった。

(https://www.newyorker.com/humor/borowitz-report/trump-claims-he-is-now-governor-of-virginia)

 もっとも、トランプ氏はバージニアでの勝利は自分がやったと確信しているようだ。

 11月3日のラジオ番組では「私の支援がなければ(ヤンキン氏は)5ポイント差で負けていただろう」と主張。

「勝利」は自分に対する有権者の支持の表れだった、と大見えを切った。

 ヤンキン氏の応援には最後まで行かなかったことをインタビューアーに突かれると、トランプ氏はこう言ってのけた。

「民主党が(『トランプ氏とヤンキン氏は一体だ』とキャンペーンをやり)私のためにやってくれたので、私は応援に行く必要もなかった」

 意味不明だが、平然と切り返していた。