いずれにせよ、米国防総省は、艦艇数において米海軍が中国海軍に抜き去られ数量的に世界最大の海軍の座を中国に明け渡してしまっている状況を、対中戦力の低下として大いに警鐘を鳴らしているのである。

中国海軍脅威論への「恐れすぎ」という批判

 このような米軍当局の中国海軍脅威論に対して「恐れすぎ」と批判する専門家も少なくない。そのような立場を取る人々は以下のように主張している。

「たしかに艦艇数は追い越されたことは事実である。しかし、総トン数では中国海軍がおよそ200万トンであるのに対して米海軍はおよそ450万トンと倍以上である。すなわち、いまだに米海軍のほうが、より長い距離を航行でき、より多くの武器を搭載でき、より汎用性の高い戦闘能力を有する大型艦をはるかに多数保有しているのだ。中国海軍に後れを取っているわけではない。

 たとえば、中国海軍と直接対峙する太平洋艦隊だけでも、それぞれ75機の各種航空機を積載できる原子力空母を5隻、航空機と共に海兵隊部隊を積載する強襲揚陸艦を6隻保有している。それに対して中国海軍は40機以下の各種航空機しか積載できない空母を2隻(間もなく3隻)と強襲揚陸艦を2隻(間もなく3隻)である。要するにパワープロジェクション能力(戦力投射能力:自国の領土外に戦力を輸送・展開する能力)においては、いまだに米海軍が中国海軍を圧倒しているのである」