過去5年は総トン数でも中国海軍が優位

 このような米海軍優位の指摘に対して、かねてより(5年以上前より、人によっては10年以上も前から)「決して中国海軍を侮ってはならない」と警鐘を鳴らし続けている対中警戒派かつ対中強硬派は、次のように反論している。

「総トン数ではたしかに米海軍が優勢であるが、今となってはそのような指標はさしたる意味を持っていない。なぜならば、過去5年間に建造された軍艦だけに絞って比較すると、空母や強襲揚陸艦の建造を開始したうえ大型水上戦闘艦をアメリカの4倍のスピードで量産している中国海軍のほうが、総トン数でも勝っている状況だからだ。

 それだけではなく、過去10年間にわたって新型艦艇を大量に誕生させている中国海軍と比較すると、アメリカ海軍艦艇は老朽化が目立ってきている。メンテナンスや修理のバックログや対応能力も、強大なローマ帝国がヨーロッパ全域に張り巡らした道路網を維持できなくなってしまった状況のように、危機的状況に直面している」

パワープロジェクション能力が大幅に低下

 それら以上に問題なのは、自他ともに世界最強とされてきたアメリカ海軍の原子力空母を基幹とするパワープロジェクション能力も、投射距離(空母から航空機で攻撃可能な距離)自体が大幅に低下しているという現実である。