来年3月の大統領選挙を控え、韓国の政権与党「共に民主党」が、伝家の宝刀「反日vs.親日」構図を持ち出した。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補サイドは、「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補本人だけでなく、その父親までを「親日派」であるとレッテル貼りし“反日扇動”に血道をあげているのだ。というのも李在明候補の支持率が思うように上がらず、またもや韓国国民の反日感情に訴えるしか手がない状況に追い込まれているからだ。

大庄洞疑惑で追い詰められた李在明氏がすがる「あいつは親日」作戦

 大統領選挙を約110日後に控えた11月19日に調査会社ギャラップが発表した世論調査の結果によれば、李在明氏の支持率は31%、尹錫悦氏の支持率は42%で、尹氏が大きくリードしている。11月5日に「国民の力」候補に確定した尹錫悦氏は、19日までに公表された計30の世論調査ですべて李在明氏をリードしている。このような尹氏の優勢が2週間以上続いたところで、李氏側の危機意識は一気に高まった。

 李在明氏の支持率が伸び悩んでいる理由は、自らが「自分の最高の功績」と誇っていた大庄洞都市開発プロジェクトが、実は不正に塗れた大型詐欺事件であった実態が明らかになってきているためだ。

 李在明氏が京畿道の城南市長時代に官民合同で施行した大庄洞開発プロジェクトは、最初から正体不明の民間企業「火天大有(ファチョンデユ)」に数千億ウォンの収益を与えるための各種の便法が動員されていたのだ。このプロジェクトを総指揮したユ・ドンギュ城南都市開発公社本部長(当時)は李在明氏の最側近だ。さらにプロジェクトの最終承認者が李在明氏である。その点をもって、李氏もこの不正事件に関わっているという見解が多い。

 しかし、文在寅政権の“検察改革”によって、政権寄りの人物で埋め尽くされた検察は、一貫して捜査に消極的な態度で、李氏に対する捜査は全く行われていない。そのためメディアや世論から検察に非難が集中しており、大庄洞事件に対する特検捜査(検察とは別に政府から独立した立場にある特別検察官による捜査)を求める国民世論が60〜70%まで高まっている。