(金 興光:NK知識人連帯代表、脱北者)

 米国や韓国は、北朝鮮に朝鮮戦争の終戦宣言を採択することを求めている。だが北朝鮮は、2021年12月10日に、国家情報院の運営する非公式チャネルで、終戦宣言に対する意志を明らかにしたのを最後に、その後はずっと沈黙を続けている。

 北朝鮮の本心を把握する方法がないからか、ホワイトハウスも大統領府も、最近は終戦宣言を巡る動きは小康状態になりつつある。

 文在寅政権にとって、終戦宣言の採択は、退任前に必ず成し遂げたい最重要課題だろう。それすらできなかったとなれば、文在寅政権の対北朝鮮政策は失敗の烙印を押されることは間違いない。国民に与えた希望という名の拷問も歴史の審判を受けるだろう。

 それでは、金正恩総書記は終戦宣言という要求をいつ受諾するのだろうか。それは誰にも分からない。ただ、金正恩氏が置かれた環境と、最近の対応や態度を見れば、それなりに予測可能である。

 そこで今回は、金正恩氏が終戦宣言を先送りする理由と、特に終戦宣言の採択を韓国の次期政権と結びつけている北朝鮮のこざかしい策に対し、私見を申し上げることにする。