金正恩はもう文在寅政権とは取引をしない

3. 金正恩には未来はない。

 脱北専門家たちに共通する見解として、現在の金正恩氏は、たとえ死んでも核保有国としての承認を得ようするに違いない。だが、核保有国の承認を得る前に、北朝鮮という国自体が枯死するだろう。そのため、核交渉のドアは開けておき、金融制裁と輸出入統制をはじめとする対北制裁の解除を受けるため、あらゆる困難に耐えているのが現状だ。したがって、停戦協定締結が制裁解除という目標達成に役立つならば、今すぐにでも呼応するだろう。

 だが、そうだとしても、今はその時ではないと金正恩氏は考えている。その理由は、前述したように、韓国の次期政権がどうなるのかだ。

 北朝鮮は、終戦宣言採択に関連した駆け引きを、文在寅政権とは絶対にしないだろうし、次期政権になってからでも遅くはないと判断している。

 ゆえに、北朝鮮は3月までは、終戦宣言に一切応対せず、既存の孤立路線を守るはずだ。終戦宣言を拒否し、南北対話と米朝対話も拒否する。この間に、ミサイル発射などで挑発することは十分にあり得る。この場合、対北朝鮮制裁と圧迫は続き、北朝鮮経済はさらに悪化するだろう。

 完全に窮地に立たされた金正恩氏は労働党8期5次全員会を開催し、制裁に対して強がり、大丈夫な振りをするとともに、核放棄の拒否、対米圧迫、韓国に対する恫喝政策を発表すると予想される。だが、これは崖っぷちに立たされた者の断末魔の叫びであり、なりふり構わない最後の悪あがきである。

(金 興光)