陸上自衛隊と米海兵隊はいかに新たな作戦構想を融合一体化させたか

「レゾリュート・ドラゴン21」演習は、連隊・大隊レベルの訓練であることから、陸上自衛隊と米海兵隊との間に「共同地上戦術調整所(BGTCC)」が設けられた。

 そこでは、陸上自衛隊と米海兵隊が一丸となって計画策定、目標データの共有、目標攻撃に使用する兵器・機器の選択、攻撃命令の下達などが行われる。

 その間、CDO・MDOの実効性を担保するため、センサー・ネットワークの相互運用性、両軍間の地上からの精密射撃、米海兵航空団と航空自衛隊の航空機運用、米海軍ミサイル駆逐艦(USS Ralph Johnson)の活用などの調整が行われた。

 同じ頃、BGTCCから遠く離れた北海道と東北の演習場では、両軍の隊員・兵士が、南西地方の島嶼等を想定し、複数の主要地点に小規模部隊を展開して攻撃拠点を確保する訓練に取り組み、「共同射撃指揮所」と長距離精密射撃機能を構築した。

 これにより、敵航空機等に対する共同迎撃が可能となるだけでなく、陸上自衛隊の地対艦ミサイル(SSM)システムと米海兵隊のHIMARSを使用した対艦作戦を遂行することができる。

 これに航空機、艦艇を加え、場所や時間を問わずに目標を攻撃できるCDO・MDOの海上攻撃の態勢が出来上がった。

 また、敵のサイバー攻撃に対し、両軍間で統合「キルウェブ(Kill Web)」の対策が取られた。

 Kill Webは、攻撃されやい情報ノード(コンピューターやルーター、プリンターなど)を最小化して、厳しいサイバー競合環境下でもネットワークを効果的な状態に維持できるよう連接することである。

 このように、自衛隊と米軍が装備する陸・空・海・宇宙ベースのセンサー機能により戦場の認識能力が拡張され、海上で目標を確認・識別できるデータが得られる。

 こうしたデータがBGTCCで処理され、戦場全域に向けて配備・運用される陸・海・空の兵器・装備による射撃任務が無駄なく、また効果的に調整される仕組みが構成されたのである。

 本訓練に参加した第4海兵師団のマシュー・トレイシー(Matthew Tracy)大佐は次のように述べている。

「米軍と自衛隊は強力に連携することができる」

「これにより、その種類を問わずあらゆる戦闘において全領域で統合して作戦を実行することで、日本が主権を有する全領土の防衛を確保し地域の平和と安全を脅かす脅威を打ち負かすことができる」

「60年以上にわたり、日米はインド太平洋地域全域の平和と安全の礎として手を携えてきた」

(IPDForum 「統合抑止:米国海兵隊と自衛隊が日本最大規模の二国間実動訓練を完了」、2022.1.23)