共通する対外戦略と価値観

 2018年9月には、中ロ両国はそれまでで最大規模の合同軍事演習を実行して米国側を懸念させた。とくにこの時期から、米国では官民の間で中国とロシアの軍事面での接近について関心が高まった。

 同年9月、米国の民間の学術研究機関「全米アジア研究部会(NBR)」が「中国・ロシア関係=その戦略的意味と米国の政策選択肢」という研究調査の結果が公表された。米国防総省などの協力を得て実施したこの研究調査では、中国の習近平、ロシアのプーチン両首脳下での両国は、この先5年間は軍事がらみの戦略的協力を確実に強めていくという予測を明示したうえで、両国の動機について以下の要素を挙げていた。

・中国とロシアの対外戦略と価値観が共通していること(米国主導の民主主義に反対し、南シナ海やクリミアでの軍事膨張行動を進めることがその実例)

・中ロ両国が認識している共通の弱み(米国主導の民主主義陣営から「侵略」や「弾圧」を非難されることを共通の弱みのように受け取る反応)

・「米国衰退」という中ロの共通認識(米国が主体となる民主主義陣営の力が米国自体も含めて衰退してきたとする認識)