北朝鮮が昨年(2021)9月(1回目)と今年1月5日(2回目)発射した「極超音速ミサイル」については、それぞれ1枚の写真を含めた北の発表内容と、日韓が確認した事実とは、大きく異なっているのが特色である。

 1月11日(3回目)発射のミサイルについては、韓国の発表では「マッハ10前後」という私の予想を超えるものであった。

 北が行う弾道ミサイル発射(以後、ミサイル)実験には、大きく分けて、外交交渉、ミサイル開発、その両方の3つの狙いがある。

 この3つは、明確に分けられないが、どれかに比重が置かれている。

 新たなミサイルの開発に重点を置いている場合には、開発初期、開発途上、開発完成の段階、または、開発の変革期であるかどうかを評価する必要がある。

 一方で、北朝鮮の発表には誇大宣伝(プロパガンダ)の場合があるし、韓国が発信する軍事情報には、政治的利益誘導の場合があるので、評価には十分な分析が必要だ。

 そこで、極超音速ミサイル実験という3回の実験について、分析してみたい。

 北は、極超音速ミサイルについて、2021年9月「誘導機動性を確認」、1月5日「120キロ側面移動」、1月11日「試射に連続成功」と発表した。

 このことについて、実際に確認できた情報に基づいて、実験したミサイルレベルの高・低、また日米韓が現在、対応が可能かどうかを評価するには無理があると考える。

 なぜなら、このミサイルは、まだ実験の途中であり、プロパガンダの可能性もあり、政治的に利用される恐れがあるからだ。

 私は、事実の確認を積み上げ、これが「新たなミサイル開発途上期」、もしくは「ミサイル開発の変革期(ミサイル体系の変革)」であると考えた。

 すなわち開発段階についての分析をすべきであると考えたのだ。このために、

①昨年9月の実験について

②今年1月5日の実験について

③過去2回の実験のまとめ

④今年1月11日の実験について

⑤中距離ミサイルにおける今後の開発の方向性、について考察する。