3.過去2回は開発途上のミサイルだった

 北が過去2つのミサイルについて発表してきた内容と、各々1枚だけの写真、そして韓国国防部と防衛省が入手した情報から、北が発表する内容を裏付けるものはほとんどなかった。

 ギャップが大き過ぎる。

 2021年9月のものは、北が極超音速ミサイルと発表し、写真は滑空体の形(グライダー形)に類似(実験の写真が本物だとすれば)している。

 韓国軍の情報によれば、飛翔は確認されているが、発射母体と弾頭部が切り離されたこと、弾頭部(滑空体)が極超音速で飛翔したこと、軌道が上下に変化したという情報はない。

 防衛省はいまだに「弾道ミサイルの可能性がある」というだけで、滑空体を裏づける詳細の情報は発表していない。

 このように、北は極超音速ミサイルと言っているが、防衛省や韓国軍の情報では、滑空体を裏付けるデータは全く得られていない。

 2022年1月5日のものについては、北は、極超音速ミサイルと発表し、側面軌道(横移動)したと言っている。

 写真では細長い形状(円錐形)で翼が小さく、滑空体の形(グライダー形)ではない。

 韓国国防部は、高度50キロ以下で、飛翔距離が700キロに達していない、速度はマッハ6まで達成できていると発表した。防衛省は滑空体としての詳細情報を公表していない。

 極超音速滑空体が、極超音速を出すためには、空気密度が薄い空間を飛翔することが必要だ。

 そこで極超音速が出るのだ。

 極超音速は、定義としてはマッハ5以上だが、現実にはロシアがマッハ20以上、中国がマッハ10程度まで達成している。

 韓国軍も言うように、韓国製のマッハ9でも、極超音速とは言わないのに、現実としては、マッハ6では極超音速というのはおこがましいというものだろう。

 空気密度が薄い高度80〜100キロ、あるいはそれ以上の高度を飛翔するから極超音速が出せるのであって、マッハ10以上の速度を出さなければ、極超音速ミサイルとは呼べない。