・バイデン政権の外交担当の高官たちは、北朝鮮との折衝を最も忌避したい課題とみなしているようだ。だがこの態度を続けることはできない。北朝鮮の核やミサイルの開発の前進は、東アジアでの米国とその同盟諸国の安全保障を深刻に侵害していくからだ。

・北朝鮮の最近のミサイル発射などに対して、バイデン政権は国連の決議案などを使って非難している。しかしこうした対応は皮相的であり、根幹からの解決案をまったく示していない。バイデン政権の対応はオバマ時代の「戦略的忍耐」に等しい。

・金正恩政権はごく最近、北朝鮮国内の新型コロナウイルス感染への対策として米国製などのワクチンの導入を求める微妙な意思表示をしてきた。米国はこの求めを利用して北朝鮮政府に接触し、非核化問題の交渉につなげることも試みるべきだ。

 コロナウイルス用ワクチンを利用して北朝鮮の核問題への取り組みにつなげるというロギン氏の提案は、実際にはかなり苦しい議論として響く。だが米国側にとって北の非核化問題は、それほど手詰まりの苦境に追い込まれているという例証だともいえよう。

 いずれにしてもアフガニスタンに始まり、ロシア、中国と後手後手に回りがちのバイデン大統領の外交面での動きは、北朝鮮についても苦しい状況のようである。

(古森 義久)