海外株投資という名の円売り

 近年、日本でも米国株投資が一つのブームのように取り上げられている。2021年12月28日の日本経済新聞には、『若者の投資は消費感覚』と題した大手ネット証券会社社長のインタビューが掲載されていた。着実なリターンが期待できるからこその潮流と言えるだろう。

 対照的に、日本株の人気は目を覆いたくなるような惨状にある。1月下旬(2022年1月27日〜1月31日)に実施された日経CNBCの視聴者調査では、『岸田政権を支持しますか』の問いに95.7%が『支持しない』と応えたことが話題になった。

 事実として、国内株ではなく海外株に流れる国内投資マネーの動きは、投資信託における株式売買動向からも明らかである(図表2)。

【図表2】


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 今はまだ2000兆円を超える家計金融資産の末端に過ぎない動きだが、元々日本の家計部門のリスク回避性向が強過ぎると言われていることを思えば、米国株ブームは安全資産への異常な執着が修正される前振れとも理解できるかもしれない。

 書店に行けば、米国株投資の本が平積みでたくさん並んでいる。このような光景は今まであまり目にしないものだった。当然、すべてではないにしても、そうした米株投資は円売りを伴うはずである。