米国の次回の大統領選挙までには2年半の歳月がある。その間に米国の政治情勢もトランプ氏自身も、どのように変化するかはわからない。だが現時点では、トランプ氏へのこうした揺るぎない支持が存在するのである。トランプ氏が退陣してからすでに1年半近く経ったが、この高支持の継続は“岩盤”と言っても過言ではない。

 この現状は、米国の最大手世論調査機関ラスムセン社が5月5日に公表した全米調査の結果でも、鮮明に印象づけられた。2024年の大統領選挙でどの候補に投票するかという問いに対して、民主党、共和党のいずれにも絆のないという無党派の中間層は、バイデン氏と答えたのが全体の27%なのに対し、トランプ氏と答えたのが48%だったというのだ。

「引退」とは無縁のトランプ氏

 トランプ前大統領は現役政治家と同等、あるいはそれ以上に活発な活動を続けてきた。4月のノースカロライナ州セルマ市の大ホールで行った政治集会も大盛況だった。会場満員の支持者たちを前に「バイデン政権と民主党はアメリカを衰退の道に追い込んでいる!」と気勢をあげた。

 トランプ氏は、この種の政治集会をここ3カ月ほどで31回開いたという。本人は75歳とはいえ衰えをみせず、「アメリカを救え」および「アメリカを再び偉大に」という2つの組織を活発に動かしている。トランプ氏のこの種の集会には数日前から近郷近在の支持者たちが参加を申し込み、徹夜で行列を作って、よい席を得ようとするという現象も起きている。

 米国の大統領は一度ホワイトハウスを去れば、たとえ再選を目指す人物でも当面は引退の姿勢を保つ。この点、トランプ氏はまったくの例外中の例外である。そもそもバイデン大統領の選挙での勝利を認めないという地点から出発して、絶え間のない政治活動、選挙活動を続けてきた。しかも、アピールする相手は共和党保守層だけに留まらない。